瀬戸内・香川の風景を作る名建築 SANAA・SUO・山本忠司

TRAVEL IN TAKAMATSU

  • ホーム
  • 特集
  • 瀬戸内・香川の風景を作る名建築 SANAA・SUO・山本忠司

かつて香川県の建築家 山本忠司(やまもとただし)らが「瀬戸内海建築憲章」を提唱しました。

“瀬戸内海の環境を守り
瀬戸内海を構成する地域での
環境と人間のかかわりを理解し
媒介としての建築を大切にする”
(一部抜粋)

その思いを紡いだ建築をご紹介しましょう。


高松 建築

瀬戸内海歴史民俗資料館(1973)

瀬戸内海歴史民俗資料館(以下、れきみん)は、2024年に1970年代の建築として初めて国の重要文化財に選ばれました。


瀬戸内海歴史民俗資料館提供




設計は当時県庁職員で建築家であった山本忠司(やまもとただし)氏。山本氏は丹下健三設計の香川県庁舎(現東館)の建設にも携わっていました。


正方形の展示室が中庭を囲む構成です。模型を見ると一目瞭然。


石垣のような外観は、石を積み上げた独特の意匠。イサム・ノグチのパートナーだった和泉正敏(いずみまさとし)氏が施工を任され、変化に富んだシャープな石積みを実現。石は基礎工事で生じた安山岩を活用しています。


ディテールに着目してみましょう。
正方形のモチーフは館内のあちこちにも。


床のレンガのパターンも山本氏のデザイン。レンガは地元の製陶会社に特注しました。


R状に角が取られたコンクリートの柱には、型枠の木の表情が現れています。


フレームのない窓から眺める庭は、まるで屏風絵のよう。


敷地の高低差をつなぐ階段も展示スペースに。


建築のあり方が転換期を迎える中、風土に根ざした建築を目指して1973年に誕生したれきみん。
今も色あせることなく、凛としたたたずまいを私たちに見せてくれます。


山本忠司設計の建築

●城の眼


●讃岐民芸館


基本情報
瀬戸内海歴史民俗資料館

住所香川県高松市亀水町1412-2
TEL087-881-4707
公式サイトhttps://www.pref.kagawa.lg.jp/kmuseum/setorekishi/index.html

やしまーる 高松市屋島山上交流拠点施設(2022)

やしまーるは、屋島の新たな拠点施設として2022年にオープンしました。
設計は株式会社SUO 周防貴之(すおうたかし)氏。妹島和世建築設計事務所出身の建築家。設計にあたって周防氏は、屋島の地形や環境の価値を顕在化させるような建築のあり方を模索しました。


©SUO

©SUO

地形の起伏に沿って作られた建築は、蛇行する川のように形が変化しています。それにより、使用する部材は全て形が異なるオーダーメード。



すべて形の異なるガラスが連なり、複雑な形状を実現しています。


屋根には庵治石(あじいし)の瓦を用い、軽やかに仕上げています。


床の刷毛引き(はけびき)のストロークが、曲線の建築にシャープ感を与えています。


やしまーるは、2024年にBCS賞(一般社団法人日本建設業連合会)を受賞。
デザイン性だけでなく、それを実現した高い施工技術、そして拠点としての可能性に挑戦し続ける運営、3者が一体となり屋島に革新を起こしている点が評価されました。


夏は瀬戸内海に落ちる夕日が眺められます。ここにしかない景色に会いに来てみては。


基本情報
やしまーる 高松市屋島山上交流拠点施設

住所香川県高松市屋島東町1784-6
TEL087-802-8466
公式サイトhttps://www.yashima-navi.jp/jp/yashimaru/
Instagram https://www.instagram.com/yashimaru_takamatsu/

あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)(2025)

普段から散歩したり景色を楽しんだりと人々が憩う、公園のように開かれた香川県立アリーナ。
妹島和世(せじまかずよ)氏と西沢立衛(にしざわりゅうえ)氏の建築家ユニット SANAA(サナア)による設計で、ベルサイユ賞「世界で最も美しいアリーナ2025」の最優秀賞を受賞しました。


讃岐の山と瀬戸内海の島々の風景に溶け込むような、ゆるやかな曲線の1枚の大きな屋根が特徴的です。


屋根の下は通り抜けられるオープンな空間で、街から海への動線に配慮して設計されました。
アプローチを上がると、瀬戸内海のパノラマが目の前に。


軒先の半屋外空間が開放感をもたらしています。


街と海とを融合させて、独創的な風景を作り出した点が、ベルサイユ賞で評価されました。

メインアリーナ


交流エリア(ロビー)と観客席との境には壁がなく、一体的に構成されています。


天井高を抑えつつも柱のない大空間を実現。客席はどこからでも見やすい設計です。


VIPルーム


瀬戸内の風景をイメージした配色の席。


交流エリアは自然光が差し込み、海と一続きのよう。




サブアリーナ

サブアリーナは地域のスポーツ活動の場。


武道施設

客席や壁には香川県産ヒノキが使われています。


香川県のSANAA・妹島和世・西沢立衛の建築

●海の駅なおしま(設計:SANAA)


基本情報
あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)

住所香川県高松市サンポート6-11
TEL087-825-1313
公式サイトhttps://kagawa-arena.com/
Instagram https://www.instagram.com/anabuki_arena_kagawa
Facebook https://www.facebook.com/profile.php?id=61555956095874

関連ページ

▼歩いてめぐる!芸術のまち高松で見るモダニズム建築&アート
https://www.art-takamatsu.com/jp/travel/sightseeing/entry-440.html
▼半日あったら見ておきたい! 高松の石文化と石彫アート
https://www.art-takamatsu.com/jp/travel/sightseeing/entry-439.html
▼屋島の新たなシンボル「やしまーる」の魅力に迫る!
https://www.art-takamatsu.com/jp/travel/sightseeing/entry-850.html
▼川島猛アートファクトリーミュージアムと五色台エリアで瀬戸内海の景色とアートを満喫
瀬戸内海歴史民俗資料館
https://www.art-takamatsu.com/jp/travel/sightseeing/entry-839.html#chapter-12


2026.3.30

KEYWORDS

RECENT POSTS新着記事

ACCESS高松への交通アクセス

高松へ行くなら合わせて見たい近隣観光スポット

TRAVEL IN TAKAMATSU